眼球の構造と各部の働きについて
眼球は三層の膜と、実際にみた映像が通る部分から構成されています。眼球の最外側を覆っている膜はとても丈夫な膜で眼球を保護しています。後ろの4分の3ぐらいは強膜といい、白色不透明で血管が少しだけ分布しています。(いわゆる白眼の部分です)また前の4分の1は透明で血管のない角膜です。(いわゆる黒眼の部分です)また角膜はとても知覚過敏な部分で少しでも角膜になにかが触れると、涙が出て思わず眼を閉じてしまうと思います。このように異物などに対して角膜が敏感なのは眼球を守るためです。(角膜反射)次は強膜の内側の膜で脈絡膜といいます。(脈絡とは血管、血液の流れる血管の意味)脈絡膜には血管が多く分布していて脈絡膜のさらに内側にある網膜(後述)に栄養を供給しています。また、眼球内部を暗くするために、脈絡膜には多くの暗色色素が分布しています。(なぜ眼球内部を暗くする必要があるのかは後で説明します。)
★夜行性の動物の場合、この脈絡膜の一部に反射性の色素を含むタペタムという部分がありタペタムは夜行性の動物が夜間に活動する際、月の光やわずかな光を利用するためのものです。夜行動物は真っ暗な場所でもある程度の視覚を確保するために眼球内に入ったわずかな光をタペタムで反射させて、眼球内を少しでも明るくすることに利用しています。ちなみに、夜行動物が夜、反射して光るのはこのタペタムのためです。
強膜と角膜の境界部分にあたる脈絡膜は肥厚していて、これを毛様体といいます。毛様体の最前部は薄い膜で、水晶体を取り巻く虹彩を形成しています。虹彩は、拡張したり収縮したりすることにより、眼球内への光の通り道である瞳孔を広げたり狭めたりして眼球内に入る光の量を調節しています。(この虹彩の色が、いわゆる眼の色を決めています)毛様体の一部は眼球内部に突出しているのですが(毛様体突起)、この部分から出るたくさんの細かい線維を毛様体小帯(チンシ体)といいます。毛様体小帯は水晶体に繋がってその厚さを変え、視覚の遠近のピントを調節しています。
最後に、眼球のもっとも内側を覆う膜を網膜といいます。網膜は、視細胞と視神経から構成されていて、それぞれ視覚に重要な役割を果たしています。詳しくは後述でお話します。
網膜には視神経乳頭という 部分があって、ここから眼球内部に視神経が出入りしています。そのため、この視神経乳頭の部分には視細胞がなく光を感じません。(盲点)
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