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原因
尿石症の原因としては、つくられた石のことをいいますが、なぜ尿路に石がつくられるのかはまだはっきりとしたことは解っていません。一般的には尿中に含まれる成分が何らかの原因(食事の問題、飲水量の問題)で尿の濃度が飽和状態になり、結晶化、また結晶化したものが集まり結石となる場合、尿路の細菌感染により細菌や炎症によって剥がれ落ちた細胞が結石形成の要因になっていると考えられています。
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症状
尿石症の症状は尿石のできる場所によってことなります。猫でもっともよく尿石が見られる場所は膀胱と尿道です。
膀胱結石の場合…症状としては血尿や頻尿が主ですが腎臓への影響はあまりありません。しかし、尿道に結石が入り込むと血尿や頻尿のほかに排尿困難のため排尿時の痛み、膀胱に多量の尿が溜まり腹部の膨満が見られます。
尿道結石の場合…処置が遅れると腎不全に陥り死亡してしまう可能性もあります。
腎結石の場合…血尿や細菌尿が長期にわたりみられると同時に腎機能が悪化する可能性があることから十分に注意する必要があります。手遅れになる前の治療を受けることが必要です。
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特徴
猫における尿石症の発症は若い年齢の雄猫によくみられ、高齢の猫には少ないとされています。
形成される結石の種類は一般的にはストルバイト(リン酸アンモニウムマグネシウム)を主成分とする尿石がもっとも多く見られますが、このほかにシュウ酸カルシュウム、尿酸アンモニュウム、尿酸などの成分による結石もみられます。
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今月のまとめ
尿路疾患は遺伝的なもの、環境的なもの、食事的なもの、ストレスなど色々なものが関係しています。症状としてはおしっこを頻繁にしだしたり、イライラしたり、血尿がでたりと見た目で確認できますが、そのシグナルを見逃してしまっている飼い主さんが多いように思います。これから寒くなってくると運動することも減り限界まで排尿を我慢する子も増えます。そうすると膀胱炎、結石の要因を増幅させる可能性があります。
愛犬、愛猫のちょっとした行為を見逃さず、おかしいかなっと思ったらまず、なるべく新しいおしっこをもって動物病院に来院しましょう。
おしっこが詰まってしまうと腎不全をおこし死亡してしまう可能性がありますので様子をみず、早めの診察が望まれます。
雄が何度も繰り返す場合は外科的手術も選択肢の一つになります。
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12月〈1〉 泌尿器疾患について(膀胱炎、尿路感染症) |