/ 10月〈2〉 カーミングシグナルの見方と使い方
カーミングシグナルは何かを止めるというより、実際には予防のために使われています。シグナルは何かが起きることを防ぐ為、犬は人や他の犬からの脅威を避ける為、不安、恐怖、喧騒、不快なことを静める為に早い段階から使われます。またストレスや不安を感じたときに自分を落ち着かせる為に使います。他者に安心感を与え、友好的であることを知らせることにも使います。他人や他犬と仲良くしたいときにも使います。犬も対立を避けようとします。争いを解決できる動物です。通常、人と犬との間に対立を起こすのです。

例えば犬との日常生活では…
あなたは、朝、不機嫌に目を覚め、少しイラついた声であっちいけといっていませんか?犬は顔を横に向け、すばやく自分の鼻先を舐めるでしょう。
あなたは、洋服を着替え、玄関に向かいます。犬が喜んで近づいてきて、あなたの周りをうろつきます。あなたは、犬にお座りを命じます。その声のトーンで犬は座る前にアクビをし座ります。
あなたが玄関から出ると、犬が少し引っ張るので、リードをグイッと引き戻すと、犬はあなたに背を向け、鼻をつけるでしょう。
公園で数分間犬を自由にしていましたが、戻らないといけない時間です。あなたが、犬を呼びます。少し声にストレスがかかっていませんか?犬にはあなたの方にカーブを描きながらゆっくりとやってきます。あなたは、犬があなたに対する嫌がらせしているのだと思い、犬に怒鳴ります。犬は地面の匂いを嗅ぎ、さらに大きなカーブを描き、あなたから目をそらします。
やっとあなたのところへ戻ってきましたが、あなたは犬を叱るだけでなく、身体を揺さぶります。犬はあなたから顔を背け、鼻を舐めたりアクビをするでしょう。

目をそらすカーミングシグナル例1目をそらすカーミングシグナル例1
目をそらすカーミングシグナル例
これはカーミングシグナルのほんの一部ですが、このように犬が毎回シグナルを使って、あなたを落ち着かせようとしている様子に気付きましたでしょうか。シグナルによってあまりに早いため、私たちにはほとんど見えないものもあります。同じシグナルでも状況によって意味が異なる場合があります。経験をじっくり観察することによってほんの小さなものも見ることができるようになり、いつでも犬が何を感じているのかを理解できるようになります。犬たちが本当は何を感じているのかを知ること!これが私たちが目指していくものではないでしょうか!

猫のようなほかの動物も
今月はここまで!
次回は実際にカーミングシグナルの見方について説明します。
犬たちはとてもたくさんの方法を使ってシグナルを発しています。ぜひ観察しましょう。

参考資料 理論と犬のストレスを軽減するための実践的応用 カーミングシグナル
著者 ティーリッドルーカス 翻訳 石綿 美香

10月〈1〉 カーミングシグナル(犬語)について

この記事は2010年10月現在制作された内容です。記載内容は予告なく修正、変更を行なう場合が有ります。
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