坂井獣医科 Sakai Animal Hospital
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診察室日記
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  2015年8月 女の子のワンちゃんと上手に付き合うポイント その2  
 

犬イメージ画像01 女性ホルモンのバランスにより、体や心に変化があらわれやすい女の子のワンちゃん。体と心の変化に合わせたお世話のコツや接し方をご紹介します。また、男の子の飼い主さんも愛犬と、他の女の子との付き合い方にも役立ちます。

 
     
  大きな変化の時は…  
     
 
1.

発情

2. 妊娠・出産…今回は「妊娠・出産」について特集します。
3. 避妊手術
   
 
  妊娠・出産とは…  
  犬イメージ画像02 犬種や体格にもよりますが、1回の妊娠・出産で平均2〜4頭の子犬を産みます。ただし、交尾しても妊娠しないこともあります。  
  体の変化…  
   個体差はありますが、妊娠・出産は1〜5才までにし、生涯出産回数も1〜3回くらいまでにしましょう。高齢出産は、犬の体にとって負担になります。

 


妊娠期間は約2ヶ月。ただし最初の1ヶ月は変化があまり見られないので気付かないことも。交配後4週間前後で一度エコー検査をすることをお勧めします。
   
基本的には自然分娩させますが、超小型犬など母犬への負担が大きい場合は帝王切開を行うことも。犬は1頭ずつ約30分間隔で出産します。
   
出産前はおなかと乳房が膨らんで、体を休めるようになります。出産予定日の3〜4日前にレントゲン検査によって、子犬の頭数や母犬の骨盤の大きさを確認しておいた方が安心です。
   
犬は、落ち着かないと産みません。ハウスにこもって、力むようなしぐさが見られたら陣痛の始まりです。近くでじっと見つめたり、まわりで大騒ぎしないようにしましょう。いつまでたっても産まれないなど、異常があれば病院に連絡してください。
   
出産後、母犬は子犬の体をなめて呼吸を促し、授乳します。生まれたばかりの子犬は自分で体温調節ができず低体温になることがあるので気をつけましょう。母乳を与える母犬は体力の消耗が激しいため、充分な栄養と水分を与えてあげましょう。また、おりものが出続けることがあるので、汚れた時はぬるま湯で湿らせたガーゼなどで拭いてあげましょう。
   
 
  心の変化…  
  犬イメージ画像03

 妊娠すると子犬を産むために「オキシトシン」という性ホルモンが分泌されます。これが母性に影響し、出産後に子犬を育てようという強い気持ちが生まれます。しかし、初産や飼い主さんへの依存心が強い子は、子犬にまったく興味を示さないことも。その場合は、飼い主さんが親代わりになって育ててあげましょう。

 
 
出産前の犬は神経質になり、イライラしがち。なかには触ろうとすると攻撃的になる犬も。ハウスに目隠しをしたり、来客があった時は別の部屋に移すなどして、余計なストレスを与えないようにしましょう。

 


出産時は、犬の視界に入らないところで静かに見守りましょう。気が散ると途中で止めてしまうこともあるので、ハウスに目隠しをしてあげましょう。
   
出産後の母犬は子犬を守ろうと神経質に。頻繁に覗いたり、無理やり子犬を取り上げると、母犬は強いストレスを感じます。母性が強い子は、強いストレスを感じると子犬を隠そうと食べてしまうこともあるので注意しましょう。
   
 
     
  次回は女の子のワンちゃんの避妊手術をご紹介します。暑さもきびしい季節ですが、体調を崩さないよう元気でお過ごしください。  
     
  この記事は2015年8月に制作された内容です。  
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