坂井獣医科 Sakai Animal Hospital
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診察室日記
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  2017年8月 今回は去勢・避妊手術について  
 

 皆さん、暑さで体調を崩してはいませんか?こまめな水分補給で脱水を防ぎましょう!さて、今回は去勢・避妊手術についてです。

 
     
 

発情とは

  2km先のヒート中のフェロモンがわかる ヒートとも呼ばれますが、発情があるのは犬も猫も雌だけです。雄は雌が発情中に出すフェロモンに本能が刺激されて、繁殖行為に及ぼうとします。
 犬も猫も、生後6ヶ月頃から12ヶ月頃には性成熟を迎えます(小型犬は多少早めに性成熟を迎えます。猫は日中の明るさによって発情が左右されるので、多少のズレが生じます)。
  発情期は犬の場合は年に2回ほど、猫の場合は年に2〜3回ほどあります。春頃と秋頃が発情期だと言われていますが、生活環境や生まれた時期の違いなどによってズレが生じる事もあります。
   
去勢・避妊手術の時期
   できれば性成熟してしまう前に手術をするのが理想です(その理由は後ほど…)。
 犬も猫ももちろん個体差はありますが、大体生後6ヶ月頃から手術ができます。年齢がわからない場合は乳歯が永久歯に生え変わる頃、睾丸が確認できるようになる頃とお伝えしています。
   
去勢・避妊手術のメリット&デメリット
  去勢・避妊手術のメリット★メリット
雄の場合:雌の発情フェロモンによって起こる問題行動・ストレスの抑制。マーキングの抑制。前立腺肥大、肛門周囲腺腫、会陰ヘルニアの予防など。
雌の場合:発情による問題行動・ストレスの抑制。子宮・卵巣の病気の予防。*乳腺腫瘍の予防など。 
 早期の避妊手術で悪性乳腺腫瘍の発症リスクを低下させられることが分かっています。未避妊の雌犬の相対リスクを1とすると、初回発情前の避妊を受けた犬:0.005、1回目以降:0.08、2回目以降:0.26。また、猫でも同様に発症リスクを下げることができます。(未避妊猫との比較/6ヶ月齢より前に避妊を受けた猫:91%減、1歳までに避妊を受けた猫:86%減)以上が、性成熟する前に去勢・避妊手術を受けさせることをおすすめする理由です。
★デメリット
繁殖ができなくなる。太りやすくなる。全身麻酔のリスク。
 去勢・避妊手術をすることで性ホルモンの分泌がされなくなります。手術前よりも活動量、基礎代謝が落ちるため太りやすくなる傾向があります(去勢・避妊手術後のご飯も販売されていますので、気になる方はスタッフにお尋ねください)。
 
     
   去勢・避妊手術を受けさせるべきかどうかと悩まれる飼い主さんはとても多いと思います。少しでも解決の糸口になれば幸いです。
 今まで気にした事がなかったという方も、もうすぐ秋…発情のシーズンですので少しペットの性について考えてみませんか?
 
  参考:株式会社インターズー SA Medicine 74号  
     
  この記事は2017年8月に制作された内容です。  
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