坂井獣医科動物病院

/1月〈1〉 白内障について
こんにちは!!1月に入りだんだん寒さが厳しくなっていく今日この頃です。今月は犬の白内障シリーズ第一弾をお話します。

白内障とは?
眼球の中のレンズ(水晶体)は主として水とタンパク質から構成されており、通常水晶体は透明です。何かの原因でこの水晶体のたんぱく質分子の構成が乱されると透明性が維持できず白濁してきます。この状態を白内障とよびます。犬は他の動物より白内障が多く発生するといわれています。

初発白内障
1.初発白内障
水晶体の一部に白濁した部分が見える様になる。

未熟白内障
2.未熟白内障
水晶体の白濁が大部分に広がった状態。
視力低下も起こる。

白内障の原因と特徴
白内障の混濁の原因は、水晶体蛋白の変性、水晶体繊維の膨化や破壊、水晶体線維間への物質代謝物の蓄積や病的物質の沈着が要因とされています。白内障はその混濁の範囲と程度により視覚障害を伴う疾患です。先天性の白内障には遺伝性が疑われています。また、後天性の白内障としては、老齢、外傷、併発性及び薬物などによる原因があげられます。
代表的な犬種はAコッカー、Mシュナウザー、レトリバー種、柴犬、プードル、ヨーキー、ビーグル、マルチーズ、シーズーなどに白内障の発生が特に多いとされています。シーズーは犬種としては角膜疾患が多いのですが、白内障の発生も多い傾向にあります。

犬の白内障はその発生時期により、産まれてくる時か産まれて間もなくしてから見られるものを先天(性)白内障、2歳から5歳の間に発祥する若年(性)白内障、6歳以上の水晶体の混濁を老年(性)白内障といいます。
人の白内障は一般的に老齢性疾患として認識されていると思いますが、犬では若年性白内障の方が多いように思われます。しかし、若年性白内障が多いにもかかわらず、先天性の白内障が少なく感じるのは、産まれてから1年の間に眼科検診を受診している飼い主さんが少ないためと考えられます。若年性白内障と診断された犬の中でも先天性と考えられるものがかなりあります。このことを踏まえ、幼犬期に積極的に眼科検診をお勧めします。

成熟白内障
3.成熟白内障
水晶体が完全に白濁し、
灰褐色になる。
1月〈2〉 白内障について
この記事は2008年1月現在制作された内容です。記載内容は予告なく修正、変更を行なう場合が有ります。
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