/ 6月〈2〉 実際のセッションについて
抜き打ちクリッカーテストに合格することができたら、クリッカーをタイミングよく鳴らす練習を行い実際のセッションに入っていきましょう。しかし、果たしてこれだけの作業で、犬は十分にクリッカーの「カッチ」の意味を理解しているのかどうかという疑問も残ります。
たいていの犬はこのくらいで通常のトレーニングには問題ないのですが、中にはなかなか理解できない子もいます。何回古典的条件付けをやったら大丈夫というはっきりとした数字はわかりません。理解したかどうかは抜き打ちテストである程度把握できても、理解の深さを測ることはできません。
例えば毎回のクリッカートレニングのセッション前に、数回古典的条件付けを行ってみるのもいいかもしれません。またいつもと違う場所でクリッカートレーニングを行う場合も最初に古典的条件付けのみを数回行った方がいいと思います。

タイミングよく鳴らす練習
クリッカーを「カッチ」と鳴らすタイミングはとても重要です。最初で説明したとおり、正解に近い行動を切り取るという側面がありますから、タイミングを間違ってしまうと、違う行動を切り取ってしまうことになってしまいます。クリッカーを「カッチ」と鳴らせるように人間だけで練習しておきましょう。ポイントはクリッカーを鳴らすタイミングで速やかに、なるべく早く鳴らすということです。そのためには、クリッカーを鳴らせるようにいつでも準備することが大切です。なるべく早く鳴らすというのは、あくまで成功が確定してからの話です。ヤマを張って、予測してクリッカーを鳴らすということではありません。そして犬が近くに居ないところで練習しましょう。

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ボールで練習
テニスボールや野球の軟式のような、弾むボールを使って練習します。
一人で練習できますが、より、楽しく練習するためには誰かにボールを投げてもらった方がいいでしょう。この練習のルールはいたって簡単です。ボールが弾んで一番高いところにきたときに、クリッカーを鳴らすだけです。
ボールを投げる人がボールを叩きつける際、強弱をつけたり、フェイントを加えて投げなかったりすると難易度も上がり、ゲーム感覚で楽しいと思います。

犬の実際の行動は、常に、繋がっている流れの中にあります。その中でよい行動だけを切り取るためには、タイミングがとても大切になりますので、しっかり練習しましょう。

練習あるのみ!
いかがでしたか?ぜひ普段のトレーニングの一貫として取り入れてみてください。
普段のトレーニングに付け加えるだけでとても楽しく出来るかもしれません。
参考資料
マリン企画監修 新居和弥(D.I.N.G.O代表) ディーイーピー編
愛犬がみるみるうちにどんどんかしこくなる
クリッカートレーニングをはじめよう
6月〈1〉 クリッカートレーニングについて2

この記事は2009年6月現在制作された内容です。記載内容は予告なく修正、変更を行なう場合が有ります。
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