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老齢の散歩
季節にあわせて散歩させる。
若いころにはなんともなかった散歩も、加齢ともに筋力や筋肉の量の低下、関節障害の問題もみられるようになります。
また、環境の問題も重要です。高温多湿、日中の温度差が多い季節など人がつらいな〜と思う季節は動物も同じです。
また、同じ快適さでも人と動物ではその感じ方は少しちがいます。散歩の方法や時間帯などを考えてあげましょう。
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●春の散歩
春は、さまざまな草木が芽生え始める時期です。
いつもの散歩道も草木が生え地面を覆っているので落ちているガラスの破片や空き缶などに気づかずパットを傷つけてしまうこともあります。老齢になると足腰が弱くなっているので1本でも傷を負ってしまうとさらに歩行が困難になってしまいます。
また、春は多くの草木に花が咲く季節でもあり、空中に花粉が飛ぶ季節になります。それらに対してアレルギーを持つ子は人間で言う花粉症症状が出ることもありますので呼吸機能が衰えている老齢の子にとってはとてもつらいでしょう。症状が出だしたら早めに動物病院を受診しましょう。
この時期は殺虫剤や農薬を使用する時期でもありますので草を食べる習性のある子は気をつけましょう。また、寄生虫に感染する可能性もあります。草むらに好んで入らないようにしましょう。
春になり暖かくなると急に運動量を増やしたくなると思いますが関節に負担がかかります。散歩量も調節してあげましょう。暖かくなったとはいえ朝夕は気温が下がり寒くなることもしばしばです。散歩の時間帯も気をつけてあげましょう。
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●夏の散歩
犬は人に比べ体が地面に近いため、地面の照り返しをうけやすく体内に熱をためてしまいます。暑くても犬は人のように汗をかかないため、舌をだして息を吐く「パウンティング」とよばれる呼吸方法を行い、熱を逃がして体温を調節しています。
しかし、外気が高いと熱交換がうまくできないため、体温の調節がうまくいきません。そのため、さらに激しく「パウンティング」を行います。このように呼吸に関する筋肉が繰り返す激しい運動のため、体内に熱がこもって熱中症になってしまうことがあります。熱中症は死にいたることもあるので、十分注意しましょう。特に被毛が厚い犬種、鼻が短い犬種また、肥満犬、老齢犬は注意が必要です。
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老齢犬では心疾患から呼吸器症状を患っている子達は「パウンティング」が激しいと血圧の上昇や気管、気管支、肺に負担をかけるため状態を悪化させることがあります。特に雨の降った後の蒸し暑い日は体調を崩しやすくなります。そのため気温が高い日だけでなく、低くても湿度の高い日も十分に注意して散歩を行いましょう。せっかくの楽しいはずの散歩も、飼い主さんの不注意から大変な事故につながります。体温の上昇を防ぐためにこまめな水分補給は大切なことです。
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熱中症になってしまったら?
症状
41℃の高体温、呼吸困難、あえぎ呼吸、意識混濁、痙攣など
救急処置
体温を下げるために首やわきの下、内股などに冷やしたタオルなどをあててください。直接体に水をかけないようにしてください。救急処置後何か変だと思ったら必ず動物病院に来院しましょう。
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3月〈2〉 老齢の管理について(第2回) |