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2011年9月誤った保護(2) NEW |
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巣立ち雛を道で見かけたとき、多くの人は巣から雛が落ちてしまっているなどと思い込み、連れて行ってしまうことがほとんどです。つまり、保護が必要ない雛を親元から誘拐してきてしまうということです。たいてい、人が近づくと親鳥は警戒し、雛に動かないように指示します。上手に飛べず、地面から近い位置に雛がうずくまっているため、人目につくことが多いのです。従って怪我をしていない、ただ警戒しているだけなら、静かにその場所から離れてあげてください。誘拐してしまった人のほとんどは、親鳥がいなかった、まだ飛べない、猫に襲われてしまう、道路の真ん中で車に引かれてしまうなどの理由ですが、ほとんどの場合人間の都合で保護してしまっていることが多くあります。
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親鳥がいないと思って保護したが、実は人がいるせいで近寄れず、人が去って危険がないことを確認すれば親鳥が雛の元へやってきます。
飛べないのは飛翔能力がまだ未熟でうまく飛べないことが多いからです。
猫に襲われる、車に引かれるのは人に捕まってしまうことと、同じことではないでしょうか?
もし、雛を見つけたのが道路の近くや駐車場のような隠れることがない場所なら、近くの木などの茂みを探し、そっと離してあげるといいでしょう。人の手で育てた場合、その鳥は人への警戒心が薄れます。また、餌のとり方や鳥同士のコミュニケーションなど、本来親鳥から教わることを人から教わることになるため、再び野鳥として生活していくことが非常に難しくなります。
野鳥の飼育は、もともと人の手で飼育されている鳥と異なり栄養管理や飼育環境の整備など、知識と経験が必要になってきます。間違った飼育を行うことで発育障害を起こすこともあります。成鳥になっても野鳥として生活できない鳥であるならば、野生復帰させることは難しくなります。そのことを十分に理解し、巣立ち雛をみかけても、静かにその場を立ち去ってあげましょう。
どうしても保護しなければいけない状況であったなら、保護の取り扱いにも注意しましょう。
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保護後の注意点
野鳥は保護された時点でかなり衰弱していることが多いので、タオルのようなもので静かにくるみそのままダンボール箱などに入れて保護しましょう。強くて素手でつかんで手で抱えて運ぶ行為は野鳥にとってかなり負担になります。人の手が野鳥の体温を奪い、さらに衰弱させる原因にもなります。保護したなら野鳥は身体が羽毛で覆われており、小さな傷を見落としやすいため、外傷の湯有無や呼吸の状態、反応などを観察してチェックしていきましょう。翼の裏側や頸の周囲の皮膚は、息を吹きかけるようにしてチェックしていきます。また、外傷がなく衰弱している場合には、病気になっていたり、中毒を起こしているかもしれません。鳥インフルエンザなどが伝播しているため、消毒を徹底し、扱いには十分注意してください。
野鳥の保護に関しては、都道府県によっては保護施設があります。一度行政に連絡、確認してみてください。 |
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今月はここまで!
次回は野鳥の飼育に関してです。
参考資料 AS |
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2011年9月 野鳥について(1) |
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この記事は2011年09月に制作された内容です。 |
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