症状
咳の性質は「ハホンハホン」という甲高く大きな音を起こす乾咳、「ごほっごほっ」という、こもった小さな音の湿咳、および乾咳が強く続き最後に「カーッ」といって痰を出す痰産生咳の3つに大きく分けられます。口の中に出た痰はほとんどの場合すぐに嚥下されてしまうので口の外には出てきません。乾咳では通常前をむいたまま咳をすることができますが、痰産生咳は最後に強く痰を吐き出すので強い呼気となり、腹筋が強く緊張するため、背中を丸め、頭を下に向け、喀出した痰を舐めとるしぐさがみられます。
ケンネルコフや心肥大による気管支の圧迫などの中枢気道性疾患では、音が大きく、非常に強い持続性の咳がみとめられます。
気管虚脱では、ガチョウの鳴き声様のグワーグワー音が苦しそうに続き、せきとも喘鳴(ゼーゼー音)とも判別しがたいこともあります。この気管虚脱の症状は、夏の暑い季節に特に悪化します。持続時間では、2,3回で終わってしまう単発性発咳と数分から数十分続く持続性発咳にわけられます。また、興奮時にのみ生じる場合と、安静時にも咳が生じる場合があります。
飲水後などに「ゲーゲー」いう(のど詰まりのような動作)は症状は似ていますが、せきではありません。
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