質問2 犬や猫はなぜ、人のように虫歯になりにくいのでしょうか?
口の中の環境が異なるからです。
犬も猫も全く虫歯にならないわけではありませんが、虫歯の発生率は非常に低いです。
その理由は犬や猫の口の中はアルカリ性だということです。このため、酸性を好む虫歯菌が繁殖しづらいのです。もう1つは、犬や猫の食餌には、炭水化物やその一部である糖質の含まれる量が少なくなっています。さらに、犬や猫の唾液中には、でんぷん(糖質の一種)を糖に分解するアミラーゼという消化酵素が含まれていません。つまり、口の中に菌の栄養分がつくられないのです。さらに、犬や猫の歯はどれも薄くとがっている上、上下の歯がかみ合わないため、臼のような形をした溝の多い人間の歯と違って、細菌や食物が付着しにくい、という利点があります。口の中で食物を噛み砕く時間が短いので、食べ物が口の中にある時間が少ないことも理由のひとつでしょう。
犬や猫は虫歯になりにくいのですが、歯垢(歯についた食べ物のかす)歯石(歯の根元などについた石灰分のかたまり)が溜まりやすく、歯周病が多くみられます。
歯周病は、進行すると全身に影響を与える恐ろしい病気です。ですから、定期的な歯科検診や歯石除去が必要ですし、家庭での歯磨きの習慣も大切です。 |