坂井獣医科 Sakai Animal Hospital
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  2012年7月 犬と猫のナゼナニ?  
     
 

普段何気なく感じる犬や猫に対する素朴な疑問。実は以外と犬や猫の体のしくみを知ることでわかります。今回はよくある質問をもとに解説していきます。

 

 
   
 

画像1質問1 猫のおしっこは、なぜ臭いの?
おしっこに、フェリニンというアミノ酸が含まれているからです。

猫の尿に含まれるフェリニンというアミノ酸の一種が原因です。フェリニンは、腎尿細管で合成・分泌されるコーキシンというたんぱく質が触媒酵素として働くことで合成されます。そして、コーキシンとフェリニンはともにおしっこの中に排出されます。

健康な人や動物であれば、尿中に大量のたんぱく質が含まれることはありません。しかし、猫はつねに、尿中に大量のたんぱく質を排出しているのです。このフェリニンは、イオウ含有揮発性化合物などに分解されます。これこそが、あの猫特有の尿臭のもとになるのです。

フェリニンは、生後3ヶ月くらいまでは尿中に排泄されません。また、不妊、去勢をした猫としていない猫では、後者の尿中にたくさん排出されます。というのも、フェリニンは猫の縄張りを示すくさい物質や、異性をひきつけるフェロモンの元の物質でもあるからです。このため特に、去勢していない雄の尿はフェリニンの濃度が非常に高く、強い刺激臭がします。

 
   
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質問2 犬や猫はなぜ、人のように虫歯になりにくいのでしょうか?
口の中の環境が異なるからです。

犬も猫も全く虫歯にならないわけではありませんが、虫歯の発生率は非常に低いです。

その理由は犬や猫の口の中はアルカリ性だということです。このため、酸性を好む虫歯菌が繁殖しづらいのです。もう1つは、犬や猫の食餌には、炭水化物やその一部である糖質の含まれる量が少なくなっています。さらに、犬や猫の唾液中には、でんぷん(糖質の一種)を糖に分解するアミラーゼという消化酵素が含まれていません。つまり、口の中に菌の栄養分がつくられないのです。さらに、犬や猫の歯はどれも薄くとがっている上、上下の歯がかみ合わないため、臼のような形をした溝の多い人間の歯と違って、細菌や食物が付着しにくい、という利点があります。口の中で食物を噛み砕く時間が短いので、食べ物が口の中にある時間が少ないことも理由のひとつでしょう。

犬や猫は虫歯になりにくいのですが、歯垢(歯についた食べ物のかす)歯石(歯の根元などについた石灰分のかたまり)が溜まりやすく、歯周病が多くみられます。

歯周病は、進行すると全身に影響を与える恐ろしい病気です。ですから、定期的な歯科検診や歯石除去が必要ですし、家庭での歯磨きの習慣も大切です。

 
     
 

2012年7月 犬と猫のナゼナニ(2)

 
  この記事は2012年7月に制作された内容です。  
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