坂井獣医科 Sakai Animal Hospital
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  2012年8月 犬と猫のナゼナニ?(第2回)  
     
 

普段何気なく感じる犬や猫に対する素朴な疑問。実は以外と犬や猫の体のしくみを知ることでわかります。先月に引き続きよくある質問をもとに解説していきます。

 

 
   
 

画像1質問 犬同士や猫同士ではどうやってコミュニケーションをとっているのでしょうか?
言葉を使わなくても、視覚や嗅覚などで互いを認識して感情を伝えます。動物同士は、視覚、嗅覚、触覚、聴覚を使ってコミュニケーションを図ります。

視覚とはボディーランゲージのことです。犬や猫は、歯を剥く、耳を後ろに倒す、毛を逆立てるなどの身体の動きで感情を伝えます。こうしたボディーランゲージの意味を知っておくと、犬や猫が何を言おうとしているのか、どんな心境にあるのかを理解できるでしょう。

聴覚とは鳴き声のことです。例えば、猫は「ごろごろ」あるいは「ニャーン」と鳴いたりします。「ごろごろ」は甘えているときの鳴き声で「ニャーン」は自分をアピールするときの声です。ケンカのときは「シャー」という声を出し、「フーッ」という声で相手を威嚇することもあります。犬の祖先であるオオカミの遠吠えも、聴覚を使ったコミュニケーションの一種です。

画像2嗅覚とは、たとえば肛門腺のにおいを嗅ぐことです。知らない犬同士は、よく肛門周りの臭いをかぎますね。これは、肛門の両側にある「肛門嚢」という分泌腺から分泌される液の臭いをかいでいるのです。この分泌液は、強いにおいを持つ脂肪酸の混合物であり、そのにおいは1頭ごとに異なるため、個体識別にも役立ちます。つまり、犬の名刺のようなものなのです。犬や猫はこの臭いをつけることで、テリトリーを主張することあります。嗅上皮にある嗅細胞で感知されるにおい物質以外に、じょ鼻器とよばれる嗅覚器官で感知されるものがフェロモンです。フェロモンには性フェロモンや警戒フェロモンなどがあり、これらによってもコミュニケーションがとられます。

触覚とは、グルーミングなどのことです。サルのグルーミング行動がコミュニケーションの一環であることはよくしられています。が、母親によくグルーミングされた犬や猫もまた、仲間のグルーミングをすることがあります。

 
   
 

質問2 犬や猫が、暗いところでも物が見えるのは、なぜでしょうか?
少ない光量でも物が見えるような目の仕組みがあるからです。

画像4明暗を識別するのは、網膜にある桿状体細胞ですが、犬や猫は、この桿状体細胞の密度が人間よりもずっと高く、猫は人の3倍持っています。このため犬や猫は、弱い光でも者を見ることができるのです。

また、猫の目は人のそれよりもわずかに小さいのですが、瞳孔(眼球の中央の丸い孔で、光がはいるところ)は人の3倍以上の光量を網膜まで導くことができるのです。しかも、網膜のすぐ下に、人間にはないタペタム(輝板)という反射細胞の層をもっています。これによって、いったん網膜の光受容体を通過した光を反射させ、再び光受容器に光を感じさせることができるのです。このタペタムによって、犬や猫の目の光集合効率は約40%もアップします。ただし、わずかではありますが、タペタムによっても網膜に吸収されない光もあります。猫が暗闇で物体を認識できる照度は、人のそれよりも3〜8倍低いといわれています。しかし、いくら猫でも全く光がない真っ暗闇で物を見ることがはできません。

一方で、光量が多すぎる晴れた昼間などは、網膜を保護するために、瞳孔を最小限の大きさに調節しなければならなくなります。このため、猫は明るいところでは、瞳孔をちいさくするのです。

 
     
 

2012年8月 犬と猫のナゼナニ?(第2回2)

 
  この記事は2012年8月に制作された内容です。  
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