質問 犬同士や猫同士ではどうやってコミュニケーションをとっているのでしょうか?
言葉を使わなくても、視覚や嗅覚などで互いを認識して感情を伝えます。動物同士は、視覚、嗅覚、触覚、聴覚を使ってコミュニケーションを図ります。
視覚とはボディーランゲージのことです。犬や猫は、歯を剥く、耳を後ろに倒す、毛を逆立てるなどの身体の動きで感情を伝えます。こうしたボディーランゲージの意味を知っておくと、犬や猫が何を言おうとしているのか、どんな心境にあるのかを理解できるでしょう。
聴覚とは鳴き声のことです。例えば、猫は「ごろごろ」あるいは「ニャーン」と鳴いたりします。「ごろごろ」は甘えているときの鳴き声で「ニャーン」は自分をアピールするときの声です。ケンカのときは「シャー」という声を出し、「フーッ」という声で相手を威嚇することもあります。犬の祖先であるオオカミの遠吠えも、聴覚を使ったコミュニケーションの一種です。
嗅覚とは、たとえば肛門腺のにおいを嗅ぐことです。知らない犬同士は、よく肛門周りの臭いをかぎますね。これは、肛門の両側にある「肛門嚢」という分泌腺から分泌される液の臭いをかいでいるのです。この分泌液は、強いにおいを持つ脂肪酸の混合物であり、そのにおいは1頭ごとに異なるため、個体識別にも役立ちます。つまり、犬の名刺のようなものなのです。犬や猫はこの臭いをつけることで、テリトリーを主張することあります。嗅上皮にある嗅細胞で感知されるにおい物質以外に、じょ鼻器とよばれる嗅覚器官で感知されるものがフェロモンです。フェロモンには性フェロモンや警戒フェロモンなどがあり、これらによってもコミュニケーションがとられます。
触覚とは、グルーミングなどのことです。サルのグルーミング行動がコミュニケーションの一環であることはよくしられています。が、母親によくグルーミングされた犬や猫もまた、仲間のグルーミングをすることがあります。 |