坂井獣医科 Sakai Animal Hospital
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診察室日記
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  2018年1月 「咳」と「咳から考えられる病気など」について  
 

咳とは 新年がスタートしましたね。今年もコツコツと更新をしていきますので、診察室日記にお付き合いください。
 さて、新年最初のテーマは『咳』です。寒く、乾燥するこの時期は人間同様ペットも咳が出やすくなります。今回は『咳』と『咳から考えられる病気など』についてお話しします。

 
     
 

咳とは

 

 咳は、空気を気道から押し出す反射で気道内の異物を排出しようという、重要な防御機構の一つです。

   
咳の種類と考えられる病気
 

顕微鏡で確認
<乾性の咳>
 痰が絡まない、いわゆる「空咳」と呼ばれる乾いた咳の事です。「コンコン」「コホコホ」といった表現が近いです。

『考えられる疾患』
気管虚脱
※ガチョウの鳴き声のような、特徴的な咳が見られます。インターネットで検索すると動画が見られます。
急性喉頭炎
急性咽頭炎
初期のウイルス性気管支炎(ケンネルコフなど)
気管内異物
冷気
気管支内腫瘍
左房肥大(僧帽弁閉鎖不全症や、心筋症)

<湿性の咳>
ヒトと同じように、犬やネコでも咳で感染が拡大する病気があります。ワクチンで予防できる病気は予防しましょう。 痰が絡んだ咳。乾性の咳に対して、「ガラガラ」「ゴホゴホ」といった表現が使われます。異物に対する反射的な咳よりも、気道内の粘液増加や肺の過剰な液体貯留などの刺激が迷走神経を刺激して起こります。咳が長く続くと粘液や貯留物を除去するために嘔吐・嘔気が見られることもあります。※飼い主さんが、「吐こうとしてる」とよく勘違いされる行動です。

『考えられる疾患』
慢性気管支炎
気管支拡張症
アレルギー性気管支炎
肺炎
   
ここをチェック
   咳を主訴に受診をすると、先生や看護師から必ず確認される点が何点かあります。病気を診断するにあたってとても重要になりますので、前もって知っておくと焦らずに答えられますよ!
1 いつ頃から咳をしていますか?
2 咳の出やすい時間帯やタイミングはありますか?(例)夜中、明け方、興奮した時、季節によってなど
3 咳をしだすと、どれくらい咳き込んでいますか?
4 以前と比べて、咳の回数は変化していますか?
5 乾いた咳ですか?湿った咳ですか?
6 咳をしていない時の呼吸は楽そうですか?つらそうですか?

言葉にするのが難しい時は、スマホなどで動画を撮ろう
 
     
  寒い時期は温かくして過ごしましょう いかがでしたか?家の中で咳をしていても、いざ病院に来ると緊張感や恐怖心から咳がピタリと止まってしまう…ということはよくあります。ペットの事を一番よく理解できているのは、先生でも看護師でもなく、普段から一緒に生活をしている飼い主さんに他なりません。正しく状況を理解して、スムーズに検査や治療を行うことができれば、可愛いペットが長く苦しい思いをせずに済むのです。

 
  参考:As BOOKS 今さら聞けない!?動物医療の基礎知識 Interzoo CLINIC NOTE 145


 
  この記事は2018年1月に制作された内容です。  
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