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2016年6月 ワンちゃんが見ている世界について |
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梅雨入りのニュースが気になるこの頃ですが、お変わりなくお過ごしでしょうか。ウルウルした目でこちらを見つめる愛犬は、とても愛くるしいですよね!そんなワンちゃんの目について勉強してみましょう!!
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犬の視力は約0.2。遠くても近すぎても見えにくい |
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人も犬も、ものを見る際は目のなかのレンズ(水晶体)の厚みを調整し、対象にピントを合わせて見ています。ただ犬のレンズは人より厚くてかたく、厚さの調節も不得意。そのため遠くのものや極端に近いものがはっきり見えない状態といわれています。 |
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遠くのものはぼんやりしか見えない
とくに対象が止まった状態だと、それが何なのか分かりにくいよう。ただし、獲物を目で追っていたハウンド系の犬種だと、遠くまで見える犬もいるよう。(右図:ワンちゃんが5〜6m先の飼い主さんをみるイメージ画像) |
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2〜3mまで近づくと、よく見えるように
向こうから来る相手との距離が2〜3m以下になれば、輪郭がはっきり見えてきます。相手の容姿から自分が知っている人かどうかもわかるはず。(右図:ワンちゃんが2〜3m先の飼い主さんをみるイメージ画像) |
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ごく近すぎるものもピントが合いにくい
目のピントを合わせる機能が発達していないため、犬の目の前もボヤケがち。ただ、目が悪くても嗅覚や聴覚でそれを補うので、とくに不自由はないよう。(右図:飼い主さんの手にのせたおやつを見るイメージ) |
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犬は動体視力にすぐれ、動くものには敏感に反応 |
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犬の目には明暗を感じる細胞が人より多くあります。対象物が動くと、光の様子が変化しますが、この明暗差を犬は感じて「何か動いた」と認識。そのため、動くものへの反応がいいのです。 |
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犬は人よりも視野が広く、遠近感もある!
犬の目は顔のやや側面についているため、人より斜め後ろまでものが見えます。これにより、敵や獲物をいち早く見つけやすくなります。また、左右の目の視野が重なる範囲では、両目でものを見るために奥行き(遠近感)を感じることができ、立体的に見えます。
犬は自分のやや後方側まで見えますが、犬種によって目の位置が違うので視野にも差があります。獲物を目で見て追っていた狩猟犬は、目が顔の側面にあるので視野が広め。目が前面にあり鼻から口先までが短いので視野が遮られにくく、両目で見られる範囲(立体視できる範囲)が長頭種の犬より広め。 |
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犬の色覚は「青」「黄色」が中心 |
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色を認識するのは目のなかの錘状体(すいじょうたい)という細胞。犬の場合この細胞がとても少なく、さらに青と黄色しか認識しないと言われています。そのため赤や緑は、灰色や茶色のようなくすんだ色として見ていると考えられます。青と黄色以外は、さまざまな明暗のくすんだ色に見えているようです。赤も緑も大差なく見えているため、2つの色が並んでいると区別しにくいことが。
犬は食べ物を色で判断せず、においで「おいしそう!」と感じます。そのためたとえごはんがくすんだ色に見えていても、喜んで食べるのです。 |
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犬は人より「夜目」がきく! |
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犬は光を感じる細胞が人の7〜8倍あるといわれています。また、目の奥に入ってきた光を反射する人にはない組織があるため、弱い光しかない暗い場所でもよく見えるのです。野生時代、薄暗い中を移動したり狩をしていた名残かもしれませんね。 |
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今回はここまで!ワンちゃんの目について少し興味を持っていただけましたか?次回はワンちゃんの気持ちを視線から読むコツをお伝えします。雨の外出もまた風情あるものです。ぜひお出かけしてみてください。 |
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この記事は2016年6月に制作された内容です。 |
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