坂井獣医科 Sakai Animal Hospital
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診察室日記
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  2016年8月 犬のルーツついて1  
 

およそ2万5千年前から人と暮らし、人を助けたり癒してきた犬たち。それぞれのルーツに基づいたしつけ方、しつけ方をすれば、愛犬との暮らしがより楽しくなり、家族としての絆も深まります。

 
     
  すべての犬種はディンゴから  
  ディンゴディンゴは、犬と人が暮らし始めた最初の犬と言われています。この、ディンゴから「走る」「狩る」など、それぞれの「能力」を役割にあわせて人間が高めていき、400種類以上の犬種が生まれてきました。現在は家庭で愛玩用に飼われている犬がほとんどですがこの特集ではかつての「能力」に基づいた、長所を生かし短所を抑えた育て方のコツをお伝えします。  
     
 

元 ハンター犬のレーダーチャート元 ハンター
ミニチュア・ダックス・フンド、ビーグル、ミニチュア・シュナウザー、ミニチュア・ピンシャー、ジャック・ラッセル・テリア、ウエスト・ハイランド・ホワイト・テリアなど

   
 

ネズミやウサギなどといった小動物のにおいを追跡し、獲物を追い詰めたり、吠えて猟師に知らせるなどの働きをしていた犬たち。嗅覚にすぐれ機敏で活動的。また、巣穴や茂みの中などにも勇敢に入っていける気の強さや好奇心があります。

   
しつけのポイント
1. いつでもどこでも「おいで」ができるように
 自分で獲物を見つけていた元ハンター犬は好奇心が旺盛。狩猟本能のスイッチが入ると呼んでも来ない傾向が。1日に20回ほどふいに「おいで」と言い、愛犬が来たらおやつを与えてほめることを続けると、「おいで」で来る習慣に。
   
2. 「出して」を教えて誤飲・誤食を防ごう
 捕まえた獲物をくわえて運んでいた元ハンター犬は、一度くわえた物を離すことが苦手。噛みちぎって誤飲・誤食する前に「出して」を教えましょう。おもちゃをくわえた愛犬におやつのにおいを嗅がせながら「出して」と言います。愛犬がおもちゃを落とした瞬間、おやつを与えてほめて。繰り返せば「出して」が出来るように。
   
付き合いかたのポイント
1. 捕まえさせる遊びで仲良くなろう
動くものを捕まえるのが上手な元ハンター犬は、転がしたおもちゃを
取りに行かせる遊びをすると「獲物を捕まえたい」という本能が満たされて楽しめます。また、本能を満たす遊びを一緒にすることで、飼い主さんのことを「一緒にいると楽しい人」と感じやすくなり、忠誠心もより高められます。
   
2. 音のなるおもちゃでストレスを発散させよう
噛むと音のなるおもちゃを与えると、元ハンター犬は「獲物を仕留めた気分」になり、本能的な欲求が満たされ、ストレス解消になります。いろいろな音のなるおもちゃを与え、音の違いを楽しませてみると◎噛んで楽しめるおもちゃを与えることで、ほかのものや人を噛むことの予防にも。
 
     
 

元 猟師犬のレーダーチャート元 漁師
トイ・プードル、ゴールデン・レトリバー、ラブラドール・レトリバーイングリッシュ・ポインター、イングリッシュ・セター

   
 

もともと漁師(猟師)の取った魚や水鳥などを、海や池の中に飛び込んで泳いで回収していたルーツを持つ犬たちです。冷たい水の中へ飛び込む勇気と、海岸まで泳ぐ体力をもっています。また、漁師(猟師)のもとへ獲物をしっかりと運搬するため、フレンドリーで穏やかな性質に改良された犬が多いです。

   
しつけのポイント
1. 人が近づいてきたら「おすわり」させよう
 人に友好的な元漁師犬は、人を見ると嬉しくなって突進する傾向が。人が近づいてきたら「おすわり」をさせて突進させないように心がけましょう。散歩中、人が来たら「おすわり」の指示を出し、出来たらおやつを与えてほめます。繰り返し練習すると、人が近づいてくると自分からおすわりするようになります。
   
2. 散歩では飼い主さんと並んで歩くことを教えて
 鳥などの小動物を見ると、追いかけたくなる本能があります。元漁師犬を散歩させる時はリードを短く持ち、犬を先に歩かせないように心がけて。飼い主さんの隣で歩調を合わせて上手に歩けている時は「いい子」とほめます。毎日ほめながら歩いていると、次第に「ついて」で歩くように。
   
付き合いかたのポイント
1. 得意な「もってこい」を使った遊びでストレス発散
 鳥や魚などを漁師さんの元に届けるのを喜びとしていた元漁師犬は「もってこい遊び」をすると、本能的な欲求が満たされ、ストレス発散になります。鳥や魚に似たおもちゃで遊んでみましょう。また、飼い主さんと楽しく遊ぶことで、元漁師犬ならではの「従順な性質」が高められ、信頼関係が築きやすくなります。
   
2. 散歩をたっぷりして絆を深めよう
 体力があって、体を動かすことが得意な元漁師犬にとって毎日の散歩は、暮らしの中での大きな楽しみになります。たかが散歩と思いがちですが、この楽しい時間を飼い主さんと過ごせば過ごすほど、関係が深まり飼い主さんに従順な資質が高められます。1日60分ほどの散歩を2回以上行くのが理想の散歩量です。
 
     
     
   愛犬のルーツを辿りその特性を知ることで、愛犬とより良い関係を築きましょう!来月も引き続き、犬種ごとのルーツについてお話します。  
     
  この記事は2016年8月に制作された内容です。  
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